2018年2月8日発売
対応ハード:
Windows / PS4 / XboxOne
真・三國無双がオープンワールドになった!ひとりの武将となって三国志の大地で大暴れ。大勢の敵をなぎ倒していく爽快系アクションゲーム。
自由度やRPG要素がほとんどないのでオープンワールドの面白さがない。それなのにオープンワールドにしたせいでアクションゲームとしても単調になり、戦闘の面白さまでが減少。
オープンワールドに期待していた層と従来路線支持派、どちらの期待にも応えられていないという失敗作。
真・三國無双がオープンワールドになると聞いて期待した人も多かったのではないでしょうか。れび丸もそのひとりです。
無双というゲームには限界を感じていたのでしばらく買っていなかったのですが、今回久しぶりに購入に至りました。
でもその期待は見事に裏切られました。
制作チームであるオメガフォースはオープンワールドの何たるかをまるで理解できていないのでしょう。
見た目をオープンワールドにしただけ。RPG的なコンテンツがゼロ。敷かれたレールの上を歩いていくだけで自由度もゼロ。
さらに追い打ちをかけるのがアクションゲームとしての出来の悪さ。無双の弱点である草刈りや共闘感の無さはまったく解消されていません。
オープンワールドにしたせいで戦場マップも単調に。以前の面クリタイプの作り込んだ戦場のほうがまだマシでした。
オープンワールドにしたせいで以前の良さまで消えてしまっているという最悪の結果を招いています。
今回はオープンワールドになったのでゲームがスタートしたら自由にどこへでも行くことが出来ます。
マップもかなり広大。マップの広さだけは評価に値します。並のオープンワールドよりもさらに広いです。
しかし、
実はれび丸、マップの探索をいっさい行っていません。オープンワールドの楽しさであるマップ各地の探索をいっさいやらなかったゲームというのはおそらく初めてです。
真・三國無双8のマップはオープンワールドでよくある徐々に開放されていく方式。行ったことのない場所は暗く表示されています。
これをどんどん開放していくのがオープンワールドのひとつの楽しみ。
でも最終章をクリアしたあとマップを見てみると、半分ぐらいしか開放していませんでした。あちこち行ったりしなかったから。
行く必要性を感じませんでした。未知の場所に行く意味が感じられなかった。だってどこに行くのかは全部ストーリーで決まっていたから。
その結果マップの半分は暗いまま残ったという。
過去に遊んだオープンワールドでは必ずマップは全開放させていたんですけどね。まさか探索をいっさいやらないまま終わるオープンワールドがあるとは思いませんでした。
真・三國無双8のマップは広大で景色もきれい。街や城がたくさん存在しています。
素材集めもあるし、釣りも出来るし。家も買えるし。
オープンワールドですからね。
でも家を買ったのは1回だけ。しかも1回入っただけ。その後は放置していました。家を利用する意味がないから。
釣りも1回やっただけ。素材集めもやったのは最初だけ。
すべてに意味がないんですよ。
なぜならストーリーがすべてだから。真・三國無双8は決められたシナリオの通りに行動させられるだけのゲームです。
オープンワールドの命ともいうべき自由度がまったくありません。
ストーリーに則ってマップ上を進んでいけばいいだけ。寄り道とか探索に何の意味もありません。
どこに行くのか、誰と戦うのか、ゲーム内で何を目指すのか。
これらは制作チームであるオメガフォースが全部決めています。プレイヤーはレールの上を歩いていくだけ。自由度ゼロ。
だから退屈だし、冒険もロマンも何もありません。素材を集めようが放置しておこうが一緒。家や釣りも必要なし。行ったことのない場所にわざわざ行く必要もなし。
指定された場所に行って戦闘して終わりです。これがすべて。
オープンワールドなのに面クリ型ゲームのような一本道というこの虚しさ。
ゲームというものはストーリーを作りすぎてしまってはいい作品にはなりません。こんなことはゲーム作りの基本中の基本です。
過去の名作ゲームにはどれもストーリーなどありません。初代ドラクエ1にしてもストーリーなんてなかった。勇者ロトの物語に皆が感動して爆発的にヒットしたわけではありません。
スーパーマリオとかグランド・セフト・オートなどもストーリーが評価されてヒットしたわけではありません。
バイオハザードだってアンブレラ社がどうのこうのという設定はオマケでしかありません。評価されたのはゲーム性です。
三國無双だって同じ。武将たちの物語が人々を引きつけたわけではありません。合戦に参加できるアクションゲームとして評判になり大ヒットしました。
ストーリーのおかげで名作になれたゲームなど過去に存在しないし、今後も永久に出てきません。
ゲームはシステムがすべて。提供する競技内容がすべて。ストーリーごときでゲームは面白くはなりません。
しかし才能のない制作者はストーリーを作ろうとしてしまいます。簡単だから。
本来は制作プロジェクトのリーダーが若手社員たちにそうしたゲーム作りの基本を教え諭さないといけません。でもオメガフォースはそれがまったく出来ていないようです。
真・三國無双8はモロにストーリー作りの罠にハマっています。そのせいでオープンワールドの広がりや冒険やサバイバルがまったく作れていません。あるのは一本道のストーリーだけ。
一番やってはいけない失敗です。ストーリーを必死に作れば作るほどゲームはクソゲー化していきます。
真・三國無双8にはムービーシーンがいろいろ登場します。プレイヤーはその退屈なミニお芝居を黙って見ているよう強要されます。
真・三國無双8に用意されているのは結局このムービーシーンと単調な戦闘の2つだけ。
決められた戦闘をして、そのあとムービーが流れて。また似たような戦闘をやらされて、またムービーが流れて。この繰り返しです。
一本道のストーリーを進んでいくだけなので、マップをうろつくことには意味がありません。次の面に移動するためにただ歩かされるだけ。
せっかくオープンワールドにしたのに構成は従来の無双作品と同じです。オープンワールドによるプラス要素が何もありません。
それどころかオープンワールドにしたせいで大幅なマイナスが出ています。アクションゲームとしての出来が過去最低レベル。
誤解のないように言っておくと、アクションの出来自体は非常に良いんですよ。操作武将が思い通りに動いてくれるからちゃんと一体感が生まれます。
でもそれをまったく活かせていないのが問題なのです。
アクションゲームとして全然面白くありません。次にどこへ行けばいいかは完全に決まっています。街道に沿ってそこへ向かわされます。
道を進んでいくと関所のような小さな敵拠点が存在しており道を塞いでいます。目的地に着くまでにはこうした拠点が3つぐらいあるのが普通です。
この敵拠点を攻略しながら目的地へ向かいます。
この敵拠点での戦闘が単調。全然おもしろくありません。全部同じ形をしています。そこにいる敵も全部同じ。
真・三國無双8は拠点攻略ゲームです。ゲーム内でやることの半分はこの拠点での戦闘。
拠点にいる敵をやっつけたらまた街道を進んで次の拠点へ。同じような敵がいるからまた同じように戦って敵を撃破。
これを3回ほど繰り返すと目的地である敵の城に到着。さすがに城ではもう少し大きな戦闘になります。
しかしどの城も同じ形だし戦い方も同じ。前回城で戦ったときと何も変わりません。単調。毎回同じことを繰り返すだけ。
結局はストーリーを押し付けてしまったのがすべての敗因です。
なぜオープンワールド上で自由に行動させなかったのでしょう。なぜ自由に味方を裏切ったり、加勢する勢力を自由に選べたりさせなかったのでしょう。
無双がオープンワールドになると聞いてみんなが期待したのはそれでしょう。自由度でしょう。
ストーリーによる弊害はプレイ武将選びにも出ています。
実は真・三國無双8は使用する武将を自由に選べません。どの武将で遊ぶかは制作チームであるオメガフォース側が指定してきます。
その制限内でわたしたちは武将を選ばないといけません。
れび丸は無双6と無双7は買っていません。だから操作したことのない新武将がいっぱいいます。当然ながらそうした新武将でおもいきり遊ぼうと思っていたのですが、制限のせいでそれを邪魔されました。
過去に何度も遊んだ孫堅とか、大喬とか、姜維など、おなじみ武将で遊ばされるはめに。
まさかこんな目に合うとは予想していなかったのでビックリしました。初めて見る新武将がいっぱい加わっていたのに。
結局はストーリーのせいです。制作側は自分たちの考えたストーリーを順番に消化してもらえば高い評価を得られて金儲けができると勘違いしています。
ストーリーなんて押し付けにしかならないのに。
真・三國無双8はストーリーを作ってしまったせいで大失敗したオープンワールド作品として語り継がれていくでしょう。
amazonのレビューでも相当酷評されていましたが、ほぼこのとおりの出来ばえです。単調で何の興奮も喜びも与えてくれないゲームです。
武将を自由に選べないという酷い裏切りがその象徴のように思えます。
さすがに星1つではないけど、星3つ付けた人は甘い採点かなという印象。
当ブログでの評価も65点というかなり低い点数になりました。
真・三國無双8は自由度を期待していた人たちの期待を完全に裏切りました。
それどころかバラエティー豊かな戦闘を期待していた従来ファンの期待まで裏切っています。
更には草刈りや共闘感のなさをどうにかして欲しいと願っていた改革派の期待まで裏切っています。
草刈りや共闘感のなさは無双というゲームの限界を示すものです。最後にこの部分を解説して締めたいと思います。
「無双なんてただの草刈りゲーム」
「共闘感がない。全部ひとりでやらされる」
真・三國無双ではこうした不満が必ず見受けられます。
オープンワールドになってそれが解消されているのではないかと期待した人もいると思います。
でも結論を言うと何も解決していませんでした。むしろそうしたクソゲー要素はパワーアップしています。
だから解消を期待していた人は買わないように。なぜこの問題が解決しないのかを簡単に書いておきます。
無双には明確な限界があります。
それはプレイヤーが強すぎること。敵をバッタバッタとなぎ倒す爽快感のためにそう設定されています。
しかしこれゲームとしては致命傷です。プレイヤーが強ければ強いほどゲームは浅くなります。逆に弱ければ弱いほどゲームは幅が広がります。勝つためには工夫が必要になりますからね。
無双は爽快感のためにプレイヤーを無敵に。そのせいで内容が浅くなっています。それが草刈りや共闘感のなさにつながっています。
爽快感のために雑魚をとにかく弱くしています。そのせいで雑魚はもう人間ではなくただの草に。もはや敵を倒している感覚は生まれず草を刈っている感覚しか持てません。それがかえって爽快感が失わせる結果に。
敵武将全員をプレイヤーがひとりで倒すというのも無双の限界を示すものです。味方武将が勝手にバンバン敵をやっつけてしまったら爽快なゲームにはなりませんからね。
しかしこれのせいで味方武将たちはただのお飾りに。共闘感のなさはここから生まれています。本来ならプレイヤーが何もしなくても仲間が勝手に敵を倒して勝ってしまわないといけません。
でも自分は何もしていないのにその面がクリアとなると面クリ型ゲームとしては成立しません。こうしたことから無双はプレイヤーがすべての敵を倒すという共闘感ゼロシステムに。
「プレイヤーが強すぎる。このままでは簡単すぎるゲームになってしまうので名前付きの敵だけは強くしておこう」
「雑魚を一騎当千でやっつけてもらって爽快感を味わってもらい、名前付き武将との戦いで手に汗握る戦闘をしてもらう」
これがオメガフォースの出した答えです。
でもこのせいで雑魚がよりいっそう意味のない存在になっています。今作でもこれは解消されていません。倒せばいい敵は名前付きだけ。
例えば上の画像でも敵がたくさんいるように見えますが、倒さないといけないのは一番奥に見える名前付きだけ。
雑魚は全部無視してOK。
こちらも同様。
たくさん敵がいるように見えますが、実際に戦う敵は奥の2人だけ。あとは全部ただの草です。
こちらの画面では名前付きがひとりも見当たりません。だから無視して通り過ぎればいいだけ。
いっさい戦闘を行う必要なし。
無双はこのように敵が多いように見えて実は非常少ないという欠点があります。
名前付きを倒したらもうその場は離れてまた別の名前付きを探しにいけばいいだけ。
だから本当の敵なんて4人ほどしかいません。一騎当千ならぬ一騎当4です。
味方も多いように見えますが全部お飾り。すべての敵をプレイヤーが倒さないといけません。
味方はゼロ。敵は4人。
これが三國無双というゲームです。見た目だけ立派で中身はスカスカ。
無双ゲームは面白くしようとするとこうした限界にぶち当たります。
爽快感をアップさせようと思えばすべての敵武将をプレイヤーに倒してもらうしかありません。
だから共闘感などありません。プレイヤーが強すぎるのでただの草刈りゲームに。
こうした無双の限界を打ち破る方法がひとつだけ存在します。それがオープンワールド化です。
制作チームであるオメガフォースがこれに気づいてついにオープンワールド化に踏み切ったのかなと思いました。
でも違いました。
相変わらず敵全員をプレイヤーが倒さないといけません。味方はただのお飾り。従来と同じ失敗をやらかしています。
せっかくオープンワールドにするのだからプレイヤーを弱くすればよかったのに。
それだけでザコ敵は草ではなくなります。
プレイヤーが何もしなくても勝手に味方が敵をやっつける仕様にすれば共闘感も生まれるし、合戦に参加している気分も生まれます。
面クリ型ではなくオープンワールドなのだからそれでいいのです。
プレイヤーは少しでも勲功を立てて出世するために戦場で頑張るようにすればよかったのです。
弱いからこそ素材だって必死に集めるし、釣りなどのサバイバル要素も活きてきます。
しかしこれよく考えてみたら無双ではありません。太閤立志伝です。太閤立志伝や信長の野望をオープンワールドにすればそうした生き残りや冒険を楽しめるゲームになります。
やはり無双には限界があるのです。
単純な面クリ型アクションゲームとしてやっていくしかないでしょう。限界があるので売上は期待できません。
もし本当に無双というゲームシステムが面白いものなら、北斗の拳無双とかガンダム無双はもっと評価され今でも続編が作られつづけていたはず。
無双ゲームは全体的にクソゲーの代名詞みたいになっています。でもそれは仕方のないこと。このシステムには限界があるのです。
光栄はもう無双を見捨てるべきではないかと思います。今後は太閤立志伝のオープンワールドを作るべきです。舞台を三国志にすれば中国人も買ってくれます。
1000万本ぐらい売れる大ヒット作になる可能性を秘めています。
無双にはもう将来性がありません。海外でまったく評価されていない事実を見てもこれは明らか。日本国内で固定ファンが買ってくれているだけ。
新規ファンをまったく開拓できていないから売上がどんどん減りつづけています。
オープンワールド化に踏み切ったことにはこうした売上減も関係大。
しかし制作チームであるオメガフォースがオープンワールドというものをまったく理解できていなかった。次作も期待できないでしょう。
オメガフォースは無双の根本的な限界すらわかっていない可能性があります。真・三國無双8をやっているとそれを感じずにはおれません。
もう解散させてもいいのではないでしょうか。
まったく別の制作チームを立ち上げて太閤立志伝のオープンワールドを作るべきです。こちらには限界がなく、無限の可能性が広がっています。
近作の信長の野望・創造にしても三国志13にしてもかなりの良作でした。光栄には力があります。
本気でやれば素晴らしいオープンワールドゲームを作れると思います。